資源・素材2018(福岡)

講演情報(2018年7月31日付 確定版)

若手ポスター発表

リサイクル(2)

2018年9月11日(火) 14:15 〜 15:15 ポスター会場 (A棟 1階 A14・A15講義室)

14:15 〜 15:15

[PY-62] 新規アミン系抽出剤 1,3-ビス(ジヘキシルアミノメチル)ベンゼンの合成と白金族抽出特性評価

○渡邉 菜央1、山田 学1、芳賀 一寿1、柴山 敦1 (1. 秋田大学)

キーワード:溶媒抽出、自動車触媒、白金族金属

白金族金属(PGM)のリサイクルでは溶媒抽出法が広く利用されている。この方法では金属と親和性の高い抽出剤を用いてPGMを分離・回収するため、抽出剤の性能がPGMの回収率に大きく影響する。新規抽出剤としてPGMに対する高選択性、迅速な抽出速度を持つことが求められている。
 本研究では、これらの特徴を有する、長鎖アルキル基を4つ有するベンゼン環を基本構造とする新規アミン系抽出剤を合成した。さらにPGMの中でも白金(Pt(IV))、パラジウム(Pd(II))、ロジウム(Rh(III))に対する抽出特性を評価した。
 抽出剤の合成では、芳香環のメタ位に2個のアミノ基を有するm-xylylendiamineを出発原料とし、アルデヒド基をもつhexanal、還元剤として2-picoline-bolaneを用いて一段階で合成し、収率40.0%となった。抽出実験では、水相としてPd(II)、Pt(IV)、Rh(III)の各金属種(1 mM)を含む濃度の異なるHCl溶液(0.5 - 7.0 M)、有機相として抽出剤を含む濃度の異なるChloroform溶液を調製した。両液を5 mLずつ遠沈管に採取し、300 rpmで振とうさせ、水溶液中の各金属濃度をICP発光分光分析で測定した。結果、抽出率は低塩酸濃度領域においてPt(IV)、Pd(II)に対し95%以上であり、また、高塩酸濃度領域では、Pt(IV)に対して60%以上と概ね抽出能力を持つことが示された。

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