資源・素材2018(福岡)

講演情報(2018年7月31日付 確定版)

一般講演

湿式素材プロセッシング・新材料(3)

2018年9月12日(水) 14:30 〜 16:00 第1会場 (A棟 1階 A11講義室)

司会:関本 英弘(岩手大学)

14:30 〜 14:45

[3112-17-01] クロロピリジン誘導体によるパラジウム(II)の選択的沈殿及び沈殿物の構造評価

○鈴木 智也1、尾形 剛志1、小林 徹2、塩飽 秀啓2、矢板 毅2、成田 弘一1 (1. 国立研究開発法人 産業技術総合研究所、2. 国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構)

司会:関本 英弘(岩手大学)

キーワード:パラジウム、沈殿剤、ピリジン

白金族金属の湿式製錬技術では、主に溶媒抽出法を用い白金族イオンからパラジウムを分離している。逆抽出後は沈殿法によりパラジウムが回収されるため、塩酸溶液中の白金族イオンからパラジウムを選択的に沈殿できれば、パラジウム分離工程をさらにコンパクト化できる。本研究では、オルトクロロピリジンに着目し、パラジウムに関する沈殿特性及びパラジウム沈殿物に関する構造的特徴について検討した。その結果、0.1 Mのパラジウム(II)を含む1 M 塩酸溶液にオルトクロロピリジンをパラジウム濃度に対し2倍量加えることで、定量的に沈殿することが明らかになった。パラジウム沈殿物の単結晶X線構造解析から、オルトクロロピリジンは塩酸溶液中のパラジウムとPdCl2L2型錯体を形成し沈殿する。一方、白金(IV)を含む溶液に関しては、沈殿物を形成しないことから、オルトクロロピリジンはパラジウムに選択的な沈殿剤といえる。

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