日本鉱業振興会調査研究委員会（やろう会）企画－鉱山開発・岩盤工学に関する研究の最前線－

[3301-05-01] 周波数領域メッシュフリー差分法による地表面形状を考慮した弾性波動場の数値シミュレーション

○武川 順一¹、三ケ田 均¹ (1. 京都大学)

司会:佐藤 晃(熊本大学)

キーワード：メッシュフリー差分法、弾性波、周波数領域解法、自由境界条件

音響・弾性波動場のモデリング技術は，資源工学の分野だけでなく，地震工学・土木工学など様々な分野で活用されている。波動場のモデリングにおける重要な課題の一つとして，自由表面の取り扱いが挙げられる。例えば，陸上における資源探査の場合，受振波形は地形の存在による複雑な地震波伝播挙動（回折や散乱）の影響を受ける。そのため，不規則な地表面形状を解析モデルに精確に取り入れる必要がある。本研究では，近年に著者らによって開発されたメッシュフリー差分法に，任意形状の自由表面を取り入れるための手法を新たに提案する。提案手法では，自由表面上に節点を配置し，節点上で直接，自由境界条件を課す。メッシュフリー差分法では，不規則な節点配置に対しても高次精度の近似を簡便に適用できるため，提案手法によって任意形状の地表面を精度良く再現できると考えられる。本手法の有効性を確認するため，様々な地表面形状を有するモデルに対して数値実験をおこない，数値解を解析解などと比較することで精度を検証した。その結果，従来の手法よりも少ない節点数で表面波の伝播を精度よく計算できることが示された。