13:50 〜 14:20
[3905-08-03] ワイヤロープの電磁探傷におけるロープ速度の影響について
司会:森野 徹(神鋼鋼線工業株式会社)
キーワード:ワイヤロープ、電磁探傷、速度効果、渦電流、断線検出能
いわゆるロープテスターなどのワイヤロープの電磁探傷装置において,それを動索に対して用いるとき,ロープ速度としてどれだけを上限と考えるべきかについては,これまでもっぱらフィルタなどの信号処理系統による制約しか考慮して来なかったように思われる。この事情は,製造ラインにおけるロープ線材の渦電流探傷においても同様であるかもしれない。しかしながら,磁場を用いる検査においては,対象物体との相対速度によって,すなわち印加磁場が対象材内部を移動することによって渦電流が発生するため,磁束が対象材の内部まで浸透しにくくなる現象が本質的に生じているはずである。このことは,ロープ速度が大きくなると,内部断線などの検知性が悪くなることを意味する。今日では,かなりの速度で運転されるロープ設備もあることから,本報では,大まかなモデルに対する数値シミュレーションにもとづき,その影響の概略的な見積もりについて議論する。
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