希少金属元素の抽出と利用の最前線

[2K0201-07-06] Structural analysis of molten salt including tantalum by using x-ray absorption spectroscopy

○Kozo Shinoda¹, Masahito Uchikoshi¹, Nobuaki Sato¹ (1. Tohoku University)

司会：打越 雅仁（東北大学）、柴田 悦郎（東北大学）

Keywords:high melting point metal, fluoride base molten salt, in situ measurement at high temperature, x-ray absorption spectroscopy

高融点金属の回収には溶融塩電解が有効と考えられるが、電解条件最適化のために溶融塩の局所構造を知ることは有用である。タンタルを対象とし、X線吸収分光法を適用した高温その場測定を実施して、フッ化物系溶融塩中におけるTaの局所構造を調べた。融点近傍の比較的低温、およびそれより高温での構造に違いがみられたが、高温に保持した後温度を下げた場合は大きな違いはなく、Ta原子周囲ではFを介したTaの連結が観測された。フッ化物を一部塩化物に置き換えた塩組成では、高温でのTa-F-Ta連結が切断され、溶融塩中に分散していることが示唆された。このような構造的挙動は、融点より十分高い温度のときに電解可能であり融点に近い低温では困難という電解実験結果と連動しており、局所構造情報が溶融塩電解条件の設計に重要な指針を与える因子であることを確認した。