休廃止鉱山のグリーン・レメディエーションに関する研究動向

[3K0301-10-07] マンガン含有坑水処理に向けた微生物活用の取組み

○宮田 直幸¹、岡野 邦宏¹、藤林 恵¹、小原 義之²、長安 孝明²、福山 賢仁² (1. 秋田県立大学、2. 日本原子力研究開発機構)

司会：五十嵐 敏文（北海道大学）

キーワード：坑水処理、マンガン酸化菌、金属除去

休廃止鉱山のグリーン・レメディエーションに向けた取組みの1つとして、微生物を活用したマンガン含有坑廃水処理の研究開発が進められている。マンガンの中和処理では高アルカリ条件が必要であるが、微生物利用により中性付近での処理が可能となる。このことからポスト新中和技術と位置付け、導入を目指している。坑廃水の性状や現場の立地条件により、人工湿地型、または接触酸化型の処理プロセスが想定されるが、何れもプロセス内でマンガン酸化菌を如何に安定に維持できるかが課題となる。一方で、マンガン酸化菌が形成するマンガン酸化物には他の有害量元素が多く取り込まれることから、マンガンに留まらない処理効果が期待できる。ウラン鉱山での処理試験の結果、マンガン及び放射性核種（ラジウム）の同時除去が可能であることが示されている。本講演では、マンガン含有坑廃水への微生物活用の取組みについて紹介するとともに、今後の研究開発の方向性について考えてみたい。