非鉄金属製錬業における課題と解決に向けた取り組み

[1K0401-07-02] Change in surface tension of iron silicate slag during reducing process

○Sohei Sukenaga¹, Sakiko Kawanishi¹, Masahito Uchikoshi¹, Shingo Ishihara¹, Shungo Natsui¹, Ko-ichiro Ohno², Saito Noritaka², Kunihiko Nakashima², Hiroyuki Shibata¹ (1. Tohoku University, 2. Kyushu University)

Keywords:Iron silicate slag, Surface Tension, Redox

ケイ酸塩融体の表面張力は、スラグ融体と異相との濡れ性や分離挙動に影響するため、高温冶金プロセスを制御する上で重要な物性値である。酸化鉄は金属製錬スラグの主要成分の一つであるが、鉄イオンの挙動は複雑であり、表面張力への影響は不明な点が多い。本研究では、酸化鉄を含有するケイ酸塩スラグ(初期組成：30Li₂O-60SiO₂-10Fe₂O₃(mol%))を大気、アルゴン、アルゴン-1%水素の雰囲気で溶融し、表面張力の時間変化をリング引き上げ法により1773 Kにおいて、連続的に計測した。大気中で予備溶融したガラス試料を1773 Kの電気炉内で溶融し、融体の表面張力を開始した。大気中において、試料の表面張力は溶融時間とともに上昇した。大気中で溶融した試料の表面張力が安定した後に、電気炉内の雰囲気をアルゴンまたはアルゴン-1%水素に切り替えると、試料の表面張力は徐々に低下する現象が観測された。急冷ガラスのメスバウアおよびX線吸収分光分析結果および表面張力の変化より、融体表面近傍の酸化状態について考察を行う。