MMIJ 2019,Kyoto

Presentation information (2019/08/09 Ver.)

企画講演

資源分野の国際貢献

Wed. Sep 25, 2019 9:00 AM - 12:00 PM Room-3 (Fl.1.,Build. C1. 191)

司会:小池 克明(京都大学)、柏谷 公希(京都大学)

11:15 AM - 11:35 AM

[2K0301-08-07] Geothermal development and JICA tecnical transfer Project, example in Indonesia and Kneya

○Hiroo Yoshiyama1, Naotsugu Ikeda1 (1. West Japan Engineering and Consultants Co.)

Keywords:geothermal, Kenya, Indonesia

自国産エネルギーである地熱資源は,技術革新に伴う資源リスクの低減やコストの低下により,また再生可能エネルギーに対する先進各国の積極的な支援もあり,その開発はグローバルに拡大している。但し,地熱発電の開発プロジェクトは温泉や変質帯などを含む火山周辺にある地熱地帯に限定され,主として大陸と海洋の境界域,海洋のホットスポット,大陸内リフトなどのプレート境界に沿って分布している。

 小社は九州電力㈱の発電事業に係わるエンジニアリング業務を担ってきた。地熱発電に関しては,上流から下流までの一環開発に対処するエンジニアリング部門を設置し,多くの専門家を擁している。また九州電力の地熱発電事業で技術力を醸成しつつ,早くから海外地熱開発の支援事業にも参画してきた。これまで東南アジア・南北アメリカ・カリブ海・アフリカ・欧州・太平洋諸島と,世界中の地熱資源の調査・開発に従事している。

 インドネシアの地熱資源は資源量的にも質的にも世界有数であり,その開発は従来のジャワ島、スマトラ島などの中心部から東部の離島へと広がりを見せている。小社はJICAの委託により,「インドネシア地熱マスタープラン」を実施した。この業務の成果として,まず同国の地熱資源のカタログを整備し,これと市場の需給予想・送電線整備状況等を踏まえた開発の優先順位やロードマップを作成,さらに地熱開発を促進するための政策といった包括的な提言を行った。これらの成果は,同国が地熱資源をエネルギーポートフォリオの重要な要素として認識し,公社のみならず民間組織も活発に開発を進んでいる現在の状況を形成する一因となったと考える。その後,政策担当組織あるいは規制担当組織に対するキャパビルが必要としてJICAの委託により「インドネシア地熱技術協力プロジェクト」を実施している。

 一方,ケニアを含む東アフリカ大地溝帯にも有力な地熱地帯が多く分布しており,1950年代から地熱発電に向けた調査が行われている。日本政府はJICA等を通して1970年代から現地調査を含む支援を行っており,近年では円借款によりオルカリアI地熱発電所4,5号機,同じくオルカリアIV,1,2号機の計280MWの地熱発電所が建設され,さらに現在も同地域の地熱発電所の増設に円借款が活用されている。小社は,世界銀行の委託により上記のオルカリアI及びIVの増設につながる同地熱地帯のオプティマイゼーション・エクスパンジョンの事業性調査を実施し,増設に十分な資源量が賦存する事を示した。現在のオルカリア地熱発電所の盛況には感慨深いものがある。

 また九州大学はJICAの委託で1970年代から2000年初頭にかけて地熱研修コースを実施し,同地域を含めた世界各国から地熱専門家を養成して高い評価を受けた(幸い,この研修コースは再開され、世界各国から専門家が勉学に励んでいる)。また安部イニシアチブ等の留学制度により開発途上国の地熱専門家が日本各地の大学の修士・博士課程で学んでいる。

 地熱発電の主機(タービン・発電機)の主要メーカーが日本である事や,JICAの円借款支援,同じく技術協力プロジェクトによる専門家の養成・研修を通して,地熱開発における開発途上国の日本に対する信頼は高い。

 弊社および共同受託会社により5年前よりケニア・インドネシアの両国で個別にJICA技術支援プロジェクトを受託して実施しており,両国での取り組みについて紹介したい。

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