リサイクル

[2P0106-14-04] 還元気化-酸化析出法によるガリウム回収のためのチップLEDの熱分解挙動の調査 (発表者：修士課程)

○小林 浩平¹、日野 拓真¹、久保木 友香¹、清野 肇¹、明石 孝也² (1. 芝浦工業大学、2. 法政大学)

キーワード：ガリウム、リサイクル、発光ダイオード、熱分解

窒化ガリウム(GaN)は発光ダイオード(LED)の材料として使用量が増大しており，種々のガリウム(Ga)回収法が検討されている．我々はGa化合物が1000 ℃程度の高温還元雰囲気で気化しやすく酸化雰囲気では析出する性質を用いて，乾式の回収法を検討している．本研究では，この手法をチップLEDからのGa回収に適用することを念頭において，チップLEDを加熱したときの熱分解挙動の調査と，チップLEDからのGa回収実験を行った．実験は電気炉による加熱と熱重量分析装置を用いた測定によって行った．チップLEDの熱分解挙動においてはバックライト用および照明用のチップLEDで熱分解の挙動が異なることがわかった．電気炉加熱の実験ではモールド部分の樹脂において熱可塑性の挙動がみられる照明用チップLEDでは，加熱のみでチップLED素子を露出できる可能性が示唆された．露出した素子を分析すると，表面にGa成分が残存しており，Gaの気化は限定的である可能性が示された．