一般社団法人資源・素材学会 2020年度春季大会

講演情報(2020年1月24日付 確定版)

一般講演

高温素材プロセッシング

2020年3月17日(火) 09:00 〜 12:00 第2会場 (6号館 2階 621講義室)

司会:安田 幸司(京都大学)、大内 隆成(東京大学)

09:00 〜 09:20

[3K62101-08-01] 希土類元素-酸素系に出現する準安定な蛍石類似相の熱力学的評価

○松尾 伸也1、奥山 勇治2 (1. 大阪大学名誉教授、2. 宮崎大学)

キーワード:蛍石類似相、準安定相、セリア、プラセオジム酸化物、ヒドリドイオン

希土類元素-酸素系における2種類の空間群が異なる安定相をLnO2(A)とLnO2(B)と表記するとき、この組成間に現れる準安定相のGibbsエネルギーは一般的には、LnO2(A)側とLnO2(B)側からの2種類のGibbsエネルギー曲線の延長上に表される。しかしLnO2(A)とLnO2(B)が共に蛍石類似相(CaF2-like phases)の場合には、酸素変位、酸素欠損、格子定数などを徐々に変化させて得られる1本のGibbsエネルギー曲線の上に表すことにより、準安定相の種々の性質を容易に具体化できる。1960年代のEyringらのPr-O系の研究に始まり、東工大八島らのZrO2-CeO2系、筆者らのPr-O系の結果をこの連続したGibbsエネルギー曲線を使い表現してみると「2つ以上の相がcoherentに繋がったドメインを有した1つの相」の概念に基づいて初めて相状態の理解が進むことが分かる。異なる格子定数の2つの相がcoherentに繋がるには電子の発生源となる酸素欠損の導入が不可欠であり、蛍石類似相混合状態は電子の供与体として働くことになる。この電子の供与はヒドリドイオンの形成に大きく関与する可能性が有り、近未来のエネルギー材料として有望なヒドリドイオン(H-)伝導酸化物を牽引する物質群として期待される。

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