鉱物処理・環境・リサイクル

[3K62201-05-04] 砕石スラリーと石炭灰からのジオポリマーセメントの創製

○セイ ブンタン¹、和嶋 隆昌¹ (1. 千葉大学)

キーワード：ジオポリマーセメント、フライアッシュ、砕石スラリー

砕石業では、製造工程において発生する濁水の処理において原石の10％程度の砕石スラリーが発生している。現在、その大部分は脱水・乾燥処理をへて脱水ケーキとして埋め立て処分されているが、近年では埋立地の確保が困難になりつつあり、さらに建設副産物の再利用が法律で求められている。そこで、本研究では、砕石スラリーと産業廃棄物である石炭灰を原料としてジオポリマーセメントの創製を試みた。ジオポリマーセメントは、ケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水と石炭灰から製造可能なセメントであり、普通ポルトランドセメントと比べて、製造工程でCO₂排出量が少なく、で耐酸性が高く、イオン交換能を持つ特性があり、環境材料として注目されている。
　本研究では日本国内で発生した砕石スラリーに水酸化ナトリウムを加えて加熱することでケイ酸ナトリウム溶液を調製し、石炭灰を混ぜることでジオポリマーセメントの生成を行った。結果、10 mL の砕石スラリー(濃度：928 g/L) に 5 mL の 4 - 8 M 水酸化ナトリウム溶液を添加し、120℃で9時間加熱することでケイ酸ナトリウム溶液を調製でき、石炭灰を混合することでジオポリマーセメントが作成できた。