一般社団法人資源・素材学会 2021年度 春季大会

講演情報(2021年1月29日付 確定版)

企画講演

鉱業史

2021年3月10日(水) 13:00 〜 17:00 第1会場

司会:中西哲也(九州大学)、久間英樹(松江工業高等専門学校)

14:05 〜 14:35

[3K0110-14-03] 福井県大野諸金山の遺構調査ー鉱山臼と遺構の現況についてー

○小松 美鈴1 (1. 甲斐黄金村・湯之奥金山博物館)

司会:中西哲也(九州大学)

キーワード:鉱山臼、金挽臼、黒川型、定形型、福井県大野諸金山

本研究では、鉱山作業に使用された臼を「鉱山臼」とする。
 世界の金銀需要の高まりによって、砂金採掘から山金採掘へ移行を始めた 15 ~16 世紀以降、回転式の金挽臼が山金作業に不可欠な道具の一つとして使用された。金挽臼は、用途・目的・地域によってその形状は多様だが、初期型の「黒川型」と「湯之奥型」、その後の改良型「定形型」に大きく分けることができる。この分類に基づき、各地の鉱山臼を改めて調査・整理すると同時に、その臼が使用された金山遺跡の調査も試みている。
 福井県大野市に位置する阪谷地区及び小黒見地区の集落内には、金挽臼や磨り臼など、鉱山臼が多数点在し、特に小振りな黒川型、いわゆる“小型鉱山臼” が先行研究により確認されていた。このことについて、現地に赴き鉱山臼調査ならびに金山遺跡踏査の機会を得ることができたため、坂谷山中の踏査範囲の遺構状況の記録と、現地での金挽臼の確認状況について、ここに報告する。

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