一般社団法人資源・素材学会 2021年度 春季大会

講演情報(2021年1月29日付 確定版)

企画講演

湿式製錬プロセスの課題と今後の展望

2021年3月10日(水) 13:00 〜 15:50 第2会場

司会:邑瀬邦明(京都大学)、川村 茂(秋田大学)

13:35 〜 14:05

[3K0208-12-02] ニッケル・コバルト分離溶媒抽出における不純物挙動の制御について

○大乗 孔威1、西川 勲1、柴山 敬介1、齋藤 大祐1 (1. 住友金属鉱山株式会社)

司会:邑瀬邦明(京都大学)

キーワード:溶媒抽出、不純物制御、アミン系抽出剤、電気コバルト

住友金属鉱山㈱ニッケル工場は国内で唯一の電気ニッケルおよびコバルトの生産者である。原料には目的成分のニッケル、コバルトに加え、不純物として鉄などが含まれており、当社独自の湿式塩化浴製錬法によってこれら金属成分は塩素浸出される。得られた浸出液中のニッケルとコバルトは、3級アミン系抽出剤TNOAを用いた溶媒抽出により分離される。従前から有機相にエマルションとして混入するニッケルや、有機相に濃縮される鉄のうち微量が逆抽出され、コバルト溶液側に混入する問題が生じていたため、電気コバルトの高純度化に向けて技術開発を進めてきた。本報告では、有機相に混入するニッケルを除去する洗浄段における連続相制御によりコバルト溶液中ニッケル濃度を約10分1に低減した改善事例、およびTNOA劣化物であるDNOAが不純物分配に与える影響について調査し、抽出始液の酸化還元電位制御によるTNOA劣化抑制と、DNOAの選択除去技術によりDNOA濃度を制御することで品質管理を強化した結果について述べる。

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