一般社団法人資源・素材学会 2021年度 春季大会

講演情報(2021年1月29日付 確定版)

企画講演

粉体精製工学部門委員会学生賞セッション

2021年3月10日(水) 13:00 〜 17:00 第3会場

司会:芳賀一寿(秋田大学)、晴山渉(岩手大学)

14:50 〜 15:05

[3K0301-11-07] 過熱水蒸気を用いた廃電子基板の熱分解における臭素の揮発挙動

○菅原 和1、吉田 僚太1、川村 茂1、芳賀 一寿1、柴山 敦1 (1. 秋田大学)

司会:晴山渉(岩手大学)

キーワード:廃電子基板、リサイクル、過熱水蒸気、熱分解、臭素

本研究では、過熱水蒸気を用いた熱分解によって、廃電子基板中の臭素を除去するとともに基板を脆化させ、その後工程での部品分離等を効率的に行うことを目的に、主に臭素の揮発挙動の調査を行った。廃電子基板には、貴金属、銅、レアメタルなどが含まれており、現在、これらを回収するために銅製錬プロセスで処理されている。電子基板は、ガラス繊維に樹脂が浸透したプリプレグと銅箔が多層構造になってできている。この樹脂には難燃剤として臭素が含まれているため、製錬設備を腐食する恐れがある。本研究では熱分解の加熱源として過熱水蒸気を用いた。過熱水蒸気とは、水を沸騰させ発生した飽和蒸気を常圧でさらに加熱した高温の気体であり、ほぼ無酸素の雰囲気下で処理でき、加熱空気と比較してエンタルピーが高いことと熱伝導率が高いことが主な特徴として挙げられる。過熱水蒸気で熱分解した結果、基板中の臭素の90%以上を短時間で除去することができ、くわえて、脆化を確認でき、部品の剥離性向上につながることが確認できた。

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