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[2210-27-02] (学生発表:修士課程)テナンタイト精鉱のバイオリーチング:微生物群集構造と溶液電位制御の関わり
司会者:小山 恵史(早稲田大学)
キーワード:テナンタイト、バイオリーチング、酸化還元電位、活性炭、微生物群衆構造解析
バイオリーチング反応では鉄酸化菌によるFe2+酸化反応が溶液電位(Eh)を上昇させる傾向にあるが、chalcopyriteやenargiteのバイオリーチングにおいては、例えば活性炭添加によるFe3+還元作用を利用したEh制御が効果的であることを先行研究にて明らかにしてきた。一方、tennantiteを対象とした研究例は未だ乏しい。本研究ではtennantite精鉱に対し、まず、鉄酸化能に“強弱”のある8種の微生物株の混合培養液を植菌しフラスコ試験を行った。この際、“強”鉄酸化菌株の活性が顕著に出現し高Eh(~800 mV)に傾いたが、ここに活性炭を添加することでEhは適度に抑制され、銅浸出75%を達成すると同時にAs浸出は<5%に留まった。その後、同混合培養液の長期継代培養を経た上で、バイオリアクター試験に移った。この際、予想に反し、活性炭有無に依らずEh上昇は見られず一貫して630 mV付近に留まった。微生物群集構造解析の結果、バイオリアクター試験においては、8株のうち“弱”鉄酸化菌 1株のみに菌叢が収束していたことにこの現象は起因していた。つまり、菌叢の収束により微生物学的Eh制御が自然に機能する状態においては、活性炭によるEh制御を必要とせずとも銅浸出は促進され、本条件においては銅浸出60%を達成した。
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