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[2201-09-02] ヨウ素-ヨウ化物濃厚水溶液を用いた金の迅速溶解
司会:谷ノ内 勇樹(九州大学)
キーワード:金溶解、酸化浸出、ヨウ素、ヨウ化物イオン、濃厚水溶液
廃電子基板や金製品屑などの二次資源から金を回収する手段として、従来の王水やシアン化物溶液に代わる金の浸出液が注目されている。なかでも、ヨウ素-ヨウ化物塩水溶液は、王水ほどの強い酸化力を持たないにもかかわらず、中性付近のpHにおいて速やかに金を浸出できることから、低環境負荷の浸出液として期待されている。一方で、この溶液中の金の溶解度は王水に比べて低く、また浸出液中の金濃度が増加するに伴い浸出速度が低下する傾向にある。したがって、金を多く含む原料を対象としたリサイクルでは、金を高濃度まで効率的に浸出できる溶液の設計が重要であると考えられる。そこで、本研究では、ヨウ素-ヨウ化物塩水溶液の組成が金の浸出性能に及ぼす影響を調べた。金線を用いた浸出試験の結果、ヨウ化物イオン濃度およびヨウ素濃度が高いほど金の浸出率が上昇することが明らかとなった。さらに、熱力学計算から、金の溶解度は金の酸化溶解反応とヨウ素の還元反応との平衡条件により制限されることが示された。以上の検討をもとに、ヨウ化物塩およびヨウ素を高濃度に含む浸出液を用いることにより、金を比較的高濃度かつ迅速に浸出可能であることがわかった。
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