第59回日本神経学会学術大会

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[HT-08] パーキンソン病の自律神経機能障害

2018年5月26日(土) 15:00 〜 17:00 第1会場 (さっぽろ芸術文化の館1F ニトリ文化ホール)

座長:岡 尚省(東京慈恵会医科大学附属第三病院神経内科), 渡辺 宏久(名古屋大学脳とこころの研究センター)

パーキンソン病(PD)では運動症状出現前から自律神経症状、嗅覚低下、睡眠異常などの非運動症状がしばしばみられる。PDの自律神経機能障害としては、便秘などの消化管運動障害、起立性・食事性低血圧などの循環器系障害、頻尿・失禁などの排尿機能障害、発汗異常などの皮膚自律神経障害などがある。起立性・食事性低血圧、臥位高血圧などの心血管系自律神経障害はPDの予後不良因子であり、便秘、頻尿、発汗障害はADLおよびQOLを低下させる。本シンポジウムでは、まず、PDのα-シヌクレイン病理の嗅神経・消化管神経からの伸展(Braak仮説)に加え、心血管系・皮膚自律神経からの伸展について議論する。次に、自律神経症候の発症時期、早期診断における自律神経機能評価の有用性、自律神経障害の日常生活での留意点および治療方法などを最新の知見を踏まえて総括する。これにより日常臨床におけるPDの自律神経機能障害の診療に関して議論を深める。