第59回日本神経学会学術大会

セッション情報

シンポジウム

[S-20] 神経内科医が知っておくべきゲノム医療の最先端

2018年5月25日(金) 08:00 〜 09:30 第5会場 (さっぽろ芸術文化の館3F 清流の間)

座長:戸田 達史(東京大学大学院医学系研究科 脳神経医学専攻臨床神経精神医学講座 神経内科学), 関島 良樹(信州大学医学部脳神経内科,リウマチ・膠原病内科)

ゲノム情報を効果的な疾患の診断や治療に結びつける「ゲノム医療」は近年めざましい発展をとげ,実臨床への応用が始まろうとしている.診断面においては,次世代シークエンサーの実用化により網羅的遺伝子解析が可能になり,希少疾患へのアプローチが容易になっている.IRUDは包括的な希少疾患の診療コンソーシアムであり,国際連携可能な情報データベース確立を目指している.治療面においては,ゲノム情報を利用した神経疾患の先制医療に期待が寄せられている.DIANは家族性アルツハイマー病に関する国際的な研究ネットワークであり,遺伝子変異を有する未発症者に対する治療介入が開始されている.脊髄性筋萎縮症では,核酸医薬品であるnusinersenの有効性が証明され,昨年末に米国で承認された.このようにゲノム情報は今後の神経内科診療に必須であるが,その取り扱いには十分な遺伝学の知識が必要である.本シンポジウムでは,神経内科医が知っておくべきゲノム医療の最新知識を発信する.