[S-14-1] 自律神経障害と情動・認知機能障害
α-synuleinopathyであるパーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)、多系統萎縮症(MSA)やレム期睡眠行動障害(RBD)は自律神経障害および認知機能障害を認め、ともに予後不良因子とされている。まず、自律神経障害と情動・認知の関連を概説し、次に個々疾患に関して議論する。PDでは起立性・食事性低血圧などの血圧変動と認知機能障害の関連が指摘されている。さらに、DLBでは認知機能障害に加えて自律神経機能障害も顕著であり両者が関連していることが考えられる。MSAでは従来考えられているよりも認知機能障害が多く認められる。RBDはα-synuleinopathyにしばしば認められ認知機能障害の進行と自律神経障害の出現と密接に関連している。これら疾病における認知機能障害と自律神経障害の病態およびα-synuleinの出現とその進展様式の関連を最近の知見を踏まえて議論する。
1991年,慶應義塾大学文学部人間関係学科心理学専攻卒業.1998年,同大学大学院社会学研究科心理学専攻博士課程修了.博士 (心理学).その後,日本学術振興会特別研究員 (DC),特別研究員 (PD) を経て,1999年,慶應義塾大学文学部人文社会学科心理学専攻助手.2006年,同専攻助教授 (2007年より准教授).2014年,同専攻教授.2006~2007年,ロンドン大学認知神経科学研究所・ロンドン大学病院・国立神経学神経外科病院 訪問研究員.
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