[S-29-2] 加速する創薬モダリティの多様化におけるアカデミアへの期待
アカデミアの基礎研究の成果を患者に届ける最大の出口である創薬において、産学のギャップ(Death valley)をバイオベンチャーが埋めるという社会構造が推進され、アカデミアでもトランスレーションをサポートするURAが設立、多くのトップ企業はオープンイノベーションの方向性を示して、日本政府も文部科学省、厚生労働省、経済産業省を統合した日本医療研究開発機構(AMED)を設立した。そのような各界の努力により産学連携に進捗がみられるが、日本のアカデミア発のシーズが創薬に結び付く成功確率は欧米に比較してかなり低いという現実がある。その原因は、日本の産官学のいずれにおいてもPublic-Private Partnership (PPP) やオープンイノベーションの概念の理解と、それを実現するための基礎知識が不足していることが指摘される。そこで、本シンポジウムでは産学共同の創薬研究を進めたい神経学会員を対象に、1)グローバルな創薬に必要な基本概念や具体的な知識の啓蒙、2)創薬の流れの実際、3)グローバルな神経系創薬のupdateを盛り込んだ企画を行った。(この検討は将来構想委員会で横田、勝野先生で行っており、今年8月にはじめて、この趣旨でサマースクールを企画したが、神経学会でも定期的に開催されることが望まれる)
東京大学農学部農芸化学科卒業、同大学院農学生命科学研究科修了、農学博士。1995年より国立精神・神経センター疾病研究第3部(西川徹部長)にて覚せい剤行動感作の分子生物学的研究に6年間従事した後、国内製薬企業(現田辺三菱製薬)において精神疾患治療薬研究に従事、この間、米国メリーランド大にて統合失調症中間表現型の分子遺伝学解析等に参加(Prof R. Schwarcz、Prof G. Thaker)。2012年よりAbbVie、2014年よりNovartisの日本法人にてメディカル本部の中枢神経領域責任者として神経精神疾患の治療最適化に多角的に取り組む。
抄録パスワード認証
パスワードは抄録集・参加証に記載してあります。