[S-29-3] Roles of life sciences startup companies in medical innovation
アカデミアの基礎研究の成果を患者に届ける最大の出口である創薬において、産学のギャップ(Death valley)をバイオベンチャーが埋めるという社会構造が推進され、アカデミアでもトランスレーションをサポートするURAが設立、多くのトップ企業はオープンイノベーションの方向性を示して、日本政府も文部科学省、厚生労働省、経済産業省を統合した日本医療研究開発機構(AMED)を設立した。そのような各界の努力により産学連携に進捗がみられるが、日本のアカデミア発のシーズが創薬に結び付く成功確率は欧米に比較してかなり低いという現実がある。その原因は、日本の産官学のいずれにおいてもPublic-Private Partnership (PPP) やオープンイノベーションの概念の理解と、それを実現するための基礎知識が不足していることが指摘される。そこで、本シンポジウムでは産学共同の創薬研究を進めたい神経学会員を対象に、1)グローバルな創薬に必要な基本概念や具体的な知識の啓蒙、2)創薬の流れの実際、3)グローバルな神経系創薬のupdateを盛り込んだ企画を行った。(この検討は将来構想委員会で横田、勝野先生で行っており、今年8月にはじめて、この趣旨でサマースクールを企画したが、神経学会でも定期的に開催されることが望まれる)
米国戦略コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニー、アマシャム ファルマシア バイオテク株式会社(現在の GE ヘルスケア・ジャパン株式会社)、日本モンサント株式会社 サール事業部(現在のファイザー株式会社)などの後、ヘルスケアに特化したベンチャーキャピタルである株式会社ファストトラックイニシアティブの共同創業者・取締役パートナーを経て、2012 年 10 月より株式会社産業革新機構(現在の株式会社INCJ)。現在、株式会社INCJ 執行役員マネージングディレクター ベンチャー・グロース投資グループ 健康・医療チーム リーダーのほか、INCJ の投資先であるメガカリオン、NapaJen Pharma、レナセラピューティクス、スコヒアファーマ、MedVenture Partners の社外取締役を兼務している。
東京大学大学院 理学系研究科 生物化学専門課程修了。理学修士。
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