第60回日本神経学会学術大会

講演情報

シンポジウム

[S-38] 脳と心は利己的免疫システムに支配されるのか?

2019年5月25日(土) 15:00 〜 17:00 第11会場 (大阪国際会議場12F 会議室1202)

座長:横山 和正(順天堂大学医学部脳神経内科), 中根 俊成(熊本大学医学部附属病院神経内科(分子神経治療学寄附講座))

[S-38-4] 精神疾患と神経炎症

篠山 大明 (信州大学医学部精神医学教室)

人体において記憶・学習が可能であるのは中枢神経系(脳神経)と免疫系のみである。自然選択や生物進化を遺伝子中心で理解する利己的遺伝子論は記憶に新しいが、「記憶」をもつが故に免疫が可塑性のある「脳」「⼼・啓(導く)」にも影響し生態系進化をとげるという利⼰的免疫論を提唱する。まず①免疫と脳の個体発生と系統発生を人類史とからめ、それぞれの「記憶」の役割、分化と文化、クローン選択と進化、その両面性と利⼰的免疫システムが脳の可塑性、神経細胞死を利用していることを示す。その際、②⾃然免疫の特異性のない記憶はエピゲノム変化に伴っており、獲得免疫と異なることの意味、③情動や記憶への免疫、特に自己抗体など液性因⼦への関与と病態解明、④実臨床で診断・治療に難渋する自己抗体が関連する脳症について記憶、情動を含めた脳の可塑性への利己的免疫システムによる影響の両面性の一端としてとらえ、今後の治療展望を明らかにする。

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平成6年3月 東京学芸大学附属高等学校 卒業
平成10年3月 東京大学理学部地球惑星物理学科 卒業
平成16年3月 信州大学医学部医学科 卒業
平成16年5月 信州大学医学部附属病院 臨床研修医
平成17年4月 長野赤十字病院 臨床研修医
平成18年4月 信州大学医学部附属病院 精神科 医員
平成19年11月 信州大学医学部附属病院 精神科 診療助教
平成21年4月 信州大学大学院医学系研究科 博士課程 入学 , 飯田病院 精神科 
平成21年10月 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第3部 研究生
平成24年4月 信州大学医学部附属病院 精神科 助教
平成24年8月 信州大学医学部精神医学講座 助教
平成25年3月 信州大学大学院医学系研究科 博士課程修了
平成28年5月 信州大学医学部精神医学教室 准教授

日本生物学的精神医学会 評議員
日本児童青年精神医学会 学会誌「児童青年精神医学とその近接領域編集部」編集委員
PLOS ONEジャーナルEditorial board member
日本精神神経学会専門医・指導医
精神保健指定医

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