[S-04-2] 大脳病変によるめまい
多発性硬化症(MS)の疾患修飾薬は2019年初夏の時点で合計6種類が承認されているが、2019年下半期に7種類目が、2020~21年に8種類目が承認される可能性がある。視神経脊髄炎関連疾患(NMOSD)の治療薬はステロイドと既存の免疫抑制剤であるが、2019~2020年にエクリズマブが承認される可能性がある。このように増え続ける治療薬を俯瞰し、横断的にその使い方や利点欠点を学ぶことは大変に有意義である。 めまいやふらつきは患者数が極めて多く、しかもADLを高度に障害する。高齢化社会ではフレイルや要介護状態の原因にもなる。しかしながら、高い社会的ニーズに反し、めまいの病態解明やそれに基づく治療法の開発は全く進んでいない。この原因の一旦は、めまいの科学的な研究の進歩が脳神経内科医や一般内科医にあまり知られていないために、患者を前にしても科学的な分析を試みず、主観や経験だけに基づいた診療を繰り返してきたことにある。本企画は、近年のめまいの研究の進歩を紹介し、めまいが十分科学の対象になり得る点を啓蒙することにある。本企画により、めまいに興味を持ち、科学的に病態を解明して治療に結びつけようとする脳神経内科医が増えることを期待する。
東京大学理学部数学科中退、医学系予備校講師を経て、
1981年3月、千葉大学医学部卒業;同年5月、千葉大学神経内科(平山惠造教授)入局
2000年6月、千葉大学神経内科助教授(服部孝道教授)
2003年4月、亀田メディカルセンター脳神経内科部長、現在に至る
学会活動:日本神経学会(用語委員会、教育小委員会)、日本神経治療学会(功労会員)、日本頭痛学会(名誉会員、編集委員会)、日本高次脳機能障害学会(特別会員)、日本脊髄障害医学会(名誉会員)、American Academy of Neurology(Corresponding Active, Royal Member)、日本漢字学会
著書:「神経症状の診かた・考えかた-General Neurologyのすすめー」第2版(医学書院、2017)、「脊髄臨床神経学ノート-脊髄から脳へー」(三輪書店、2014)、他に編集・分担執筆多数
主な研究領域:臨床神経学、神経症候学、脳小血管病、脊髄疾患、頭痛・めまい、心因性疾患
抄録パスワード認証
パスワードは抄録集に記載してあります。