第61回日本神経学会学術大会

講演情報

シンポジウム

[S-24] シンポジウム24
いつまで治療を続けるのか?

2020年9月1日(火) 09:00 〜 10:30 第09会場 (岡山県医師会館 4F 402会議室)

座長:深浦 彦彰(埼玉医科大学 総合医療センター 神経内科),鈴木 千恵子(弘前大学医学部脳神経内科)

[S-24-1] 多発性硬化に、いつまで疾患修飾薬の治療を続けるのか?

清水 優子 (東京女子医科大学病院 脳神経内科)

神経疾患の患者の治療は、いつまで、そしてどのように継続することが必要なのか? 病態の時間軸における変化に患者の治療選択の意思は反映されているのか。若年発症の免疫性神経疾患(MG, MS, NMOなど)は、免疫抑制薬や疾患修飾薬の早期治療開始が疾患の進行予防や患者QOLを維持するため重要だが、罹病期間が長くなり疾患活動性が低下した時点では治療の変更や中止は病態生理学的にも必要なのか?高齢で発症する神経変性疾患(パーキンソン病など)や認知症は、病状をコントロールする薬剤治療が継続して行なわれるが、病状が進行してベッド上での時間が多くなった段階ではどのような治療戦略が必要なのか? 一方、ALSなど有効な治療方法が未開発の疾患では、がん患者治療に準じた緩和ケアなど終末期医療が必要なのではないのか? 脳血管障害の発症と再発予防では抗凝固薬・抗血小板薬が用いられる。高齢化に伴い腎機能、肝機能が低下した時点では、治療目標や治療戦略の変更は必要なのか?1)基本的治療プラットフォームが異なる4つの疾患の治療戦略を見える化。2)shared decision making など患者の治療選択権尊重への配慮。3)少子高齢化の日本で限られた医療資源の現実的な分配。3点を中心に神経疾患の治療のあり方をアップデートする。

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1987年3月 東京女子医科大学医学部卒業
1987年5月 同 神経内科学教室入局
1991年6月 同 神経内科 助手
1992年2月~1993年12月米国Cornell大学医学部North Shore研究所リウマチ・アレルギー臨床免疫学教室Research fellowとして研究留学
1994年3月 医学博士学位取得
2005年5月~2007年4月 東京都板橋中央総合病院 神経内科部長
2007年8月 東京女子医科大学神経内科講師
2012年5月 同 准教授
2013年4月 上智大学大学院外国語学科研究科言語学専攻非常勤講師 兼務
2018年8月 東京女子医科大学脳神経内科特命担当教授
現在に至る

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