[S-40-1] 脳血管障害および全身疾患に伴う種々の脳病変 ~MRI所見とマクロ病理所見の対比~
神経変性は疾患関連蛋白の沈着を軸に整理されているが、各々の蛋白がどのように疾患を特徴づける病変分布や症状につながるかは未解明である。本シンポジウムでは各疾患の病変分布を肉眼所見から読み取り、肉眼所見のみでどこまで鑑別できるかに迫る。萎縮部位の組合せだけでなく、障害されない部位にも注目することで肉眼診断の精度は高まるが、最新の知識を動員しても鑑別の精度は向上しない。臨床画像の精度が乏しかった時代に臨床的鑑別に苦しんだ世代には、剖検ではじめて観察できた脳の肉眼所見を鑑別に繋げようと苦闘した経験の蓄積がある。肉眼観察はローテクの極致だが、それを限られた画像と対比して、的確な診断に結びつけていく老テク(老鍊、老獪)な経験と判断は日本の臨床神経病理の真骨頂である。その極意を若い世代と共有させていただければ、神経疾患の診療、教育、研究の新たな活性化につながると信じる。
昭和52年 京都大学医学部医学科卒業
昭和56年 東京都養育院附属病院
(現 東京都健康長寿医療センター)神経内科
昭和58年 京都大学医学部大学院
昭和62年 (財)住友病院 神経内科
昭和63年 同 主任部長
平成14年 同 内科系診療局長
平成20年 同 内科系副院長
平成27年 同 現職
専門:
神経内科学、老年医学
主な研究領域:
脳血管障害・認知症疾患の診断と治療、脳の画像診断と病理の対比
学会・研究会役員等:
日本認知症学会名誉会員、日本脳卒中学会名誉会員、日本神経治療学会功労会員、日本自律神経学会理事、日本老年医学会代議員、日本老年精神医学会評議員、日本脳ドック学会評議員、JAAD(Japan Academy of Alzheimer’s Disease)世話人、大阪神経内科の集い代表世話人、近畿老年期認知症研究会代表世話人、京都大学臨床教授、徳島大学非常勤講師、大阪市北区医師会理事、大阪市北区認知症アドバイザー、住友生命福祉文化財団理事等
抄録パスワード認証
パスワードは抄録集に記載してあります。