第61回日本神経学会学術大会

講演情報

シンポジウム

[S-40] シンポジウム40
脳肉眼診断の極意−ローテクのみでここまで鑑別できる−

2020年9月1日(火) 16:00 〜 17:30 第07会場 (岡山コンベンションセンター 2F 展示ホール)

座長:岩﨑 靖(愛知医科大学加齢医科学研究所),内原 俊記(新渡戸記念中野総合病院 脳神経内科・脳神経研究室)

[S-40-2] 認知症の脳肉眼所見の検討

橋詰 良夫 (福祉村病院 神経病理研究所)

神経変性は疾患関連蛋白の沈着を軸に整理されているが、各々の蛋白がどのように疾患を特徴づける病変分布や症状につながるかは未解明である。本シンポジウムでは各疾患の病変分布を肉眼所見から読み取り、肉眼所見のみでどこまで鑑別できるかに迫る。萎縮部位の組合せだけでなく、障害されない部位にも注目することで肉眼診断の精度は高まるが、最新の知識を動員しても鑑別の精度は向上しない。臨床画像の精度が乏しかった時代に臨床的鑑別に苦しんだ世代には、剖検ではじめて観察できた脳の肉眼所見を鑑別に繋げようと苦闘した経験の蓄積がある。肉眼観察はローテクの極致だが、それを限られた画像と対比して、的確な診断に結びつけていく老テク(老鍊、老獪)な経験と判断は日本の臨床神経病理の真骨頂である。その極意を若い世代と共有させていただければ、神経疾患の診療、教育、研究の新たな活性化につながると信じる。

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1969年3月名古屋大学医学部卒業
1970年-72年安城更生病院内科医師
1972年-74年名古屋大学医学部第一内科神経研究室入局
1974年-1980年名古屋市立大学病理学教室 助手、講師
  この間ドイツ、ミュンヘンMax-Plank- Institute 神経病理部門へ留学
1980年-1990年名古屋大学病理学教室、助手、講師、助教授
  この間ニューヨークMontefiore Medical Center神経病理部門へ留学
1990年-1993年名古屋大学医学部附属病院病理部 助教授
1993年-2010年愛知医科大学加齢医科学研究所神経病理部門 教授
2010年4月~ 医療法人さわらび会福祉村病院 神経病理研究所所長

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