[S-40-3] 脊髄小脳変性症
神経変性は疾患関連蛋白の沈着を軸に整理されているが、各々の蛋白がどのように疾患を特徴づける病変分布や症状につながるかは未解明である。本シンポジウムでは各疾患の病変分布を肉眼所見から読み取り、肉眼所見のみでどこまで鑑別できるかに迫る。萎縮部位の組合せだけでなく、障害されない部位にも注目することで肉眼診断の精度は高まるが、最新の知識を動員しても鑑別の精度は向上しない。臨床画像の精度が乏しかった時代に臨床的鑑別に苦しんだ世代には、剖検ではじめて観察できた脳の肉眼所見を鑑別に繋げようと苦闘した経験の蓄積がある。肉眼観察はローテクの極致だが、それを限られた画像と対比して、的確な診断に結びつけていく老テク(老鍊、老獪)な経験と判断は日本の臨床神経病理の真骨頂である。その極意を若い世代と共有させていただければ、神経疾患の診療、教育、研究の新たな活性化につながると信じる。
1978年 横浜市大医学部卒業後、同大学病院で研修医
1980年 同大学精神医学教室に入局
1981年から2001年 神奈川県総合リハビリテーションセンター精神神経科に勤務
その間、1989年から1994年 東京都精神医学研究所神経病理に勤務
2002年 山手訪問診療所開設
2017年 同院閉院後、みらい在宅クリニックに勤務
抄録パスワード認証
パスワードは抄録集に記載してあります。