[S-49-3] Biometals and metal-binding proteins in Parkinson's disease
鉄、銅、亜鉛などの金属元素は、生体内において、ごく微量しか存在しないものの、その吸収・輸送・活用といった生体内動態は、適正に制御されており、その破綻は疾病の原因となる。脳の神経細胞・グリア細胞などにおいても、これらの機能維持に関わる生命金属はタンパク質・酵素の構造や機能の維持、細胞内外の恒常性の維持などに極めて重要で、その破綻は神経細胞死や老化の原因につながる。しかし、生命金属が生命機能に果たす役割があまりに重要、広範であるがゆえに、分子レベルでの解明が立ち遅れていた。近年、分子生物学的手法、特異的金属プローブの開発、トランスミッターの解明が急速に進んだ。これまで研究成果をreviewし、今後の展開を解説することで、脳内の生命金属の役割、重要性がわかりやすく理解でき、病態解明が進み、創薬開発への新たな道が開ける。学会が金属イオンと神経疾患との関連性に注目し続けることに大きな意義がある。
1988年 岡山大学医学部医学科 卒業
1992年 岡山大学大学院医学研究科(脳代謝化学専攻) 修了 医学博士
1994年 (財)長寿科学振興財団 リサーチレジデント
1995年 岡山大学医学部 助手(分子細胞医学研究施設神経情報学)
1996年 日本てんかん学会第19回Juhn and Mary Wada奨励賞受賞
1996~1998年 米国NIH/NIDA 分子神経精神学部門 客員研究員
2000年 岡山大学医学部 助教授(分子細胞医学研究施設神経情報学)
2005年 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 助教授(准教授)
2007年~ 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 客員研究員
2014年~ 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 教授(脳神経制御学講座脳神経機構学)
2016年~ 徳島大学薬学部 非常勤講師
2019年~ 岡山大学医学部長 現在に至る
専門分野:神経薬理化学
所属学会:日本神経学会,日本神経科学学会,日本パーキンソン病・運動障害疾患学会(MDSJ),日本内科学会,日本神経化学会評議員,日本神経精神薬理学会評議員,日本脳科学会評議員,日本毒性学会評議員,日本毒性学会生体金属部会常任幹事,日本薬理学会学術評議員,代議員,日本解剖学会代議員,国際神経化学会(ISN),北米神経科学会
Abstract password authentication.
Password is written on a pocket program and name badge.