[S-50-4] 炎症性筋疾患と自己抗体
筋疾患は疾患の種類も多岐にわたり、診断を確定することは必ずしも容易ではない。病歴、特に家族歴の詳細な聴取、および神経学的診察を⾏ったのちに、⾎液検査、画像検査(CT,MRI)、筋電図、そして筋病理所⾒により最終診断に⾄る。遺伝⼦診断が必要な場合もある。筋画像検査、特にMRIにより筋の罹患範囲を特定することが診断の⼀助となる場合もある。また筋MRIは炎症性筋疾患の生検部位の特定のためにも重要である。筋電図検査により神経原性疾患と筋原性疾患(ミオパチー)の鑑別を⾏い、反復刺激試験により重症筋無⼒症やLambert Eaton筋無⼒症候群の診断に役⽴てる。診断の決め手となる筋生検の手技の実際、検体の処理法・送付法、組織の評価法(HE染⾊、ゴモリ・トリクローム変法、ATPase染⾊、各種免疫染⾊)についても学習する。また炎症性筋疾患、壊死性ミオパチーで陽性となる特異的⾃⼰抗体についても概説し、参加者に筋疾患の診断までの⼀連の流れをつかんでいただくことが本シンポジウムの主たるねらいである。
1993年 慶應義塾大学内科学教室入局
1997年 慶應義塾大学医学部助手
2003年 ニューヨーク医科大学Department of Cell Biology and Anatomy留学
2007年 慶應義塾大学専任講師(内科学・神経)
2019年 慶應義塾大学准教授(内科学・神経)
学会活動:
日本内科学会,日本神経学会,日本脳卒中学会,日本脳循環代謝学会,日本神経免疫学会,日本神経治療学会,日本神経感染症学会,日本頭痛学会,日本臨床神経生理学会
専門領域:重症筋無力症,炎症性筋疾患,免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象
受賞:
2006年 慶應医学三四会奨励賞
2009年 内科学会奨励賞
2014年 日本神経免疫学会創世賞
2016年 日本神経治療学会活動賞
抄録パスワード認証
パスワードは抄録集に記載してあります。