第62回日本神経学会学術大会

セッション情報

シンポジウム

[S-38] シンポジウム38 複雑系、AI、ビッグデータは、神経変性疾患の病態解明におけるmissing linkを解き明かすことが出来るのか?

2021年5月21日(金) 14:40 〜 16:40 第10会場 (国立京都国際会館 1F スワン)

座長:金谷 泰宏(東海大学医学部 臨床薬理学),渡辺 宏久(藤田医科大学医学部脳神経内科学)

神経変性疾患は、脳の特定の領域の障害という概念から全身病へと概念が大きく変わった。さらに、疾患としての発症と進行には、各階層レベルではなく、細胞から、細胞間、そして臓器間までに及ぶネットワークによる病態制御機構が深く関与している。一方、各階層には、ゲノミクス、プロテオミクス、メタボロミクス、コネクトミクス、更にはリアルワールドデータに至るまで膨大なビッグデータが内在している。これまでの研究で、個々の階層の要因や因果関係の答えは見えつつあるものの、相互に関連する複数の要因がどのように疾患全体像を作り上げているのかは全く見えていない。本シンポジウムでは、複雑系、AI、ビッグデータをキーワードとし、神経変性疾患の階層間の複雑な挙動や相互関係の背後に潜む情報処理システムを数理モデル化して解明できるのか、それが超早期診断方法や精密医療の開発へ繋がるのかなど、その可能性や研究の方向性について考えたい。