Fri. Oct 7, 2022 11:00 AM - 12:30 PM 第13会場 (熊本市民会館 2F第7会議室)

座長 : 寳木 富美子（NHO 熊本再春医療センター 看護部長）、中村 京子（NHO 東佐賀病院 看護部 看護部長）

政策医療を主に担っているのは国立病院機構であり、今後もこの役割は必要かつ重要である。しかしながら、政策医療は看護学生の臨床実習で経験することはほとんどなく、就職して初めて出会うことが多い。そのため、対象となる患者の理解や看護の特殊性については、配属された部署の先輩看護師から学ぶことになる。政策医療における看護は、主に「療養上の世話」であり本来の「看護実践」であるが、現在の医療現場では看護師に「診療上の介助」が求められることが多く、「療養上の世話」に関する専門性を追求したり、質向上を目指すための教育が不足しているように感じる。政策医療に従事する看護師には、自らの思いや希望を表現できない患者の代弁者となり、倫理的感性のもとに看護を展開する専門性が求められる。医師のタスクシフト推進のため、「特定行為」を実施できる看護師育成が急がれる中、政策医療現場においても特定行為が実施できる看護師は大いに活躍が期待できる。政策医療の専門性と特殊性を理解し倫理的な看護実践ができたうえで、政策医療に必要な特定行為へと展開していけることが理想であり、そのための育成方法についてディスカッションしてみたい。