The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

Presentation information

Oral presentation

[F] Life history and distribution

Fri. Mar 29, 2024 1:30 PM - 4:30 PM Site F (Meeting Room 2)

2:15 PM - 2:30 PM

[F-04] ヒラタアトキリゴミムシ成虫の生活史とチャドクガ幼虫捕食量

◯Ryosuke Omata1 (1. Saitama Tea Research Institute)

ヒラタアトキリゴミムシParena cavipennis(以下,ヒラタ)は茶園でチャドクガ幼虫(以下,ドクガ)を捕食する(小俣,2009).2022年9月に埼玉県西部の茶園で採集したヒラタ成虫2頭を室温条件下で飼育した. 飼育は植物組織培養用プラントボックス(W72×D72×H約100 mm/1個)を適宜3~4段に連結し,ロックウール(Grodan)に約15 cm程度のチャ枝条を1~2本挿して飼育した.成虫は飼育開始時にドクガ数頭を捕食後,11月上旬にロックウール内で冬眠に入った.翌年4月に活動を始め,市販の昆虫ゼリーを摂取した.ドクガ第1世代発生時期の6月に数頭捕食した後,夏期は吸水した紙タオル内で夏眠状態となった.ドクガ第2世代発生時期の9月に再び捕食活動後,冬眠となった.2回目の冬眠に入ったことから,少なくとも成虫は1年半程度生存する可能性がある.2023年9月,飼育中のヒラタ個体でドクガ(中老齢)捕食量(機能の反応)を繰り返し調べた.ドクガ数は1~5,10頭,各調査との間に絶食日を1日設けた.Hollingの円盤方程式はn = 1.8628X/(1+0.9394X)となり,最大捕食量は約2頭/日と推定された.