The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

Presentation information

Oral presentation

[F] Life history and distribution

Fri. Mar 29, 2024 1:30 PM - 4:30 PM Site F (Meeting Room 2)

4:00 PM - 4:15 PM

[F-11] 静岡県におけるツヤアオカメムシに寄生するヤドリバエCylindromyia petiolataの世代経過の推定

Nanako Horio1, Kana Nakahara1, ◯Ayaka Tsunashima1,2, Kyo Itoyama1 (1. Meiji Univ., 2. Hosei Univ.)

ツヤアオカメムシ(以下,ツヤアオ)は果樹の果実を吸汁加害する果樹カメムシの主要種であり,西南暖地を中心に発生が多い.近年,分布域を北方へと拡大しており,今後の被害の拡大が懸念される.Cylindromyia petiolataはツヤアオに捕食寄生するヤドリバエの優占種であり,繁殖地での個体群密度を抑制する天敵として有望であると考えられる.しかし,その生態的な知見はほとんど得られていない.本研究では,野外でのC. petiolataの世代経過の推定を目的として、2021年から2023年に静岡県静岡市において樹上で採集したツヤアオに寄生するヤドリバエ幼虫の発育段階の調査を行った.採集したツヤアオは研究室に持ち帰り速やかに冷凍した後,実体顕微鏡下で解剖し,ヤドリバエ幼虫の寄生の有無および発育段階を記録した.その結果,C. petiolataの終齢幼虫は5月のみ複数年出現したことから,静岡県では基本的に年1世代を経過することが推察された.