日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PS01] ポスター発表(学生A:コアタイム2)

2024年3月29日(金) 12:30 〜 13:30 桜(学生) (桜)

[PS01-16] 次世代シーケンサを用いた効率的マイクロサテライト解析: ネギアザミウマでの適用例

◯工藤 達実1、Hsu Po-Wei1、村上 翔大1、土畑 重人1 (1. 東大・総合文化)

マイクロサテライトは集団遺伝学的研究における重要な遺伝マーカーであるが、ジェノタイピングのための費用と時間が大きな課題となっている。SSR-GBS(Short Sequence Repeats-Genotyping by Sequence)法は、マイクロサテライトを含む領域をPCR増幅し、その配列を次世代シーケンサ(NGS)によって決定する手法である。各サンプルにインデックス配列を付加することで、数百サンプル・数十遺伝子座を1度のNGSランで解析することが可能となり、時間と費用を大幅に削減できる。さらに本手法では、従来は識別できなかった、同一の断片長でも塩基配列が異なる対立遺伝子を区別できる。本発表では、SSR-GBS法の適用例として、ネギアザミウマThrips tabaciの集団遺伝構造解析の結果を報告する。本種では同一圃場内に単為生殖系統と有性生殖系統が共存している。北海道の3か所のタマネギ畑から採集した376個体について、マイクロサテライト20座をジェノタイピングし、遺伝的分化の有無の検討や近交係数の推定を行った。発表では、ライブラリ調製を含めた具体的な手順を説明し、解析者の参考に供したい。