日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PS01] ポスター発表(学生A:コアタイム2)

2024年3月29日(金) 12:30 〜 13:30 桜(学生) (桜)

[PS01-18] 琉球列島におけるシロオビアゲハ翅形状の島嶼間比較

◯鈴木 智大1、吉岡 秀陽2、加藤 三歩2、辻 和希1,2 (1. 鹿大・連農、2. 琉大・農)

ベイツ型擬態は毒などの防御手段を持たない生物が毒などを持つ生物の警告信号を模倣する現象である。シロオビアゲハPapilio polytesには一部のメスだけに毒蝶のベニモンアゲハPachliopta aristolochiae(以下、モデル)の翅斑紋に似た表現型を示すベイツ擬態(以下、ミミック)が見られる。琉球列島では近年のモデルの定着によりミクックの翅斑紋がモデルに似るように急速な進化が起こり、モデルの定着時期が早く存在比も高い地域では白斑サイズがモデルにより良く似て他の地域より大きいことが明らかにされている(Katoh et al., 2017)。我々のこれまでの研究でミミックにはモデルの翅模様だけでなく形状の模倣も進化している可能性が示唆された。モデルの定着状況を反映し、ミミックは翅形状においても地域ごとに急速な形態分化を起こしている可能性が考えられる。そこで本研究では、モデルの定着時期や存在比の異なる島間で翅形状の比較を行うことで島間の形態分化の可能性を検討した。