[PS01-38] 空腹度と光波長，光強度がコナガコマユバチの光応答に及ぼす影響
コナガ幼虫の寄生蜂であるコナガサムライコマユバチの雌成虫（以下，コマユバチ）のLED光に対する光応答に関する研究（Uefune et al, 2013）は存在するが，この研究では短波長の光に対する応答と，光応答に対する光強度の影響を評価できていなかった．また，この研究では，空腹期間は2時間と比較的短く，より空腹で餌の欲求度が高いコマユバチの光応答は明らかにされていない．本研究では，3段階の光強度（低，中，高（10，30，60（μmol m-2 s-1））の青，緑，黄，赤の波長のLED光を用い，それぞれの光に対して満腹，2時間空腹，6時間空腹のコマユバチの応答を調べた．コマユバチは，緑においては全ての条件で光に誘引され，赤においては全ての条件で光に反応しなかった．青においては，光強度低のとき満腹のコマユバチが，光強度中のとき満腹と6時間空腹のコマユバチが光を忌避した．一方，光強度高のときは，空腹度に関係なくコマユバチは光に誘引された．黄においては，光強度が低と中のとき2時間空腹と6時間空腹のコマユバチが，光強度高のときすべての空腹度のコマユバチが光に誘引された．本発表では，光波長選好性の結果も合わせて，コマユバチの視覚利用について議論したい．