The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

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[PS01] ポスター発表(学生A:コアタイム2)

Fri. Mar 29, 2024 12:30 PM - 1:30 PM Sakura (Student) (Sakura)

[PS01-46] カメノコハムシ類の同所的共存における生息場所隔離と行動的隔離の寄与

◯Shun Suzuki1, Naoyuki Fujiyama1 (1. Yamagata Univ. )

アオカメノコハムシ,イノコヅチカメノコハムシ,ヒメジンガサハムシは科または属レベルで異なる植物を寄主としているが,同じフィールドに出現することがある。異なる寄主植物を利用していることより,野外においてこれらの種間には生息場所隔離が作用していることが期待されるが,その強度がどの程度かは不明である。また,カメノコハムシ類の一部では,野外および実験条件下で種間交尾が生じることが知られていることから,種間の行動的隔離は完全ではないことが予想される。本研究では,上述の同所的に出現するカメノコハムシ類3種を対象に,主に野外調査によって生息場所隔離の程度を,室内交尾実験によって行動的隔離の程度を定量化した。さらに,各隔離障壁の絶対貢献度および交配前隔離の総合的な強度を算出した。その結果,ハムシの種の全ての組み合わせにおいて行動的隔離が不完全だった一方で,野外においては多くの組み合わせで生息場所隔離が完全な交配前隔離を実現しているものと考えられた。なお,アオカメノコハムシとヒメジンガサハムシの間の交配前隔離は完全ではなかった。