The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

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Workshops

[W03] タバコカスミカメ利用を考える-先進導入事例から考える秘訣と課題ー

Fri. Mar 29, 2024 6:30 PM - 8:00 PM Site C (Shirakashi 1)

世話人:安部順一朗、中野亮平

6:50 PM - 7:10 PM

[W03-02] 福岡県の促成トマト栽培における土着タバコカスミカメを利用したIPM

◯Kanako Uemura1, Harui Itami1, Nobutaka Shimizu1 (1. Fukuoka Agric.&Frst. Res. Ctr.)

タバココナジラミは薬剤抵抗性の発達が著しく,化学合成殺虫剤に依存した防除体系では低密度に抑制し続けることが困難となっている.福岡県では天敵昆虫タバコカスミカメの土着系統の発生が認められるため,これらを栽培初期から活用するIPM体系を構築した.対象とする作型は,8~10月定植の早植えを含む促成栽培で,以下3つの項目(0.4mm目合い防虫ネットの施設開口部への全面展張,トマト黄化葉巻耐病性品種の作付け,前作栽培終了時の蒸し込み処理)を実施していることが前提となる.そのうえで,バンカー植物としてクレオメ,さらに必要に応じてコナジラミ類成虫忌避剤のグリセリン酢酸脂肪酸エステル乳剤を組み合わせる.近年ではトマト黄化病の発生が増加していることから,本防除体系においては,気門封鎖剤を中心とした補完防除を適切なタイミングで行うことが重要であると考える.本講演では,現地でのタバコカスミカメ野外採集圃場の様子や温存のための工夫,また,防除の失敗事例,生産者や指導員の声を踏まえ,タバコカスミカメの利用体系を成功させるポイントについても考えたい.