日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

小集会

[W04] 「縁尋機妙・昆虫生態学の牽引者から学ぶ」(3)大崎直太さんと愉快な仲間達

2024年3月29日(金) 18:30 〜 20:00 D会場 (白橿2)

世話人:安田弘法、金子修治

19:35 〜 20:00

[W04-04] 徒然なるがままに

◯大崎 直太1 (1. 大津市)

大学院に入った時、指導教官の巌俊一先生に「良い研究をしなさい」と言われた。「良い研究とはどんな研究ですか」と問うと「面白いストーリー性のある研究だ」と応えられた。さらに「何を見るにも疑問を持ちなさい」とも言われた。「そのようにして研究を3つしたなら誉めてやる」と言って先生は微笑まれた。
 後年、アメリカ・デュ−ク大学のマーク・ラウシャー先生(現米国進化学会会長)に「誰も考えたことのない仮説を立てるか、誰も検証したことのない仮説を検証するような研究をすべきだ」と言われた。
 振り返って見ると、曲がりなりにもそのような研究を3つしたと思う。(1)「メスだけが擬態するベイツ型擬態の謎」Nature 1994. Journal of Animal Ecology 2004。(2)「可視化された天敵不在空間」Ecology 1995.その他。(3)「求愛行動における繁殖干渉」American Naturalist 2020.その他。
 いずれの研究も、ふとしたことに疑問を持ち、仮説を立てて検証を試みた。出てきた結果は、その後に分かった結果と繋ぎ合わせてみると、興味深いストーリーが描けたと思う。