星出まどか1, 2, 宮田理英2, 3, 三牧正和2, 4, 是松聖悟2, 5, 山内秀雄2, 6 (山口大学大学院医学系研究科医学専攻小児科1, 日本小児神経学会医療安全委員会2, 東京北医療センター小児科3, 帝京大学医学部小児科4, 大分大学医学部地域医療小児科5, 埼玉医科大学医学部小児科6)
セッション情報
委員会主催セミナー
医療安全
[IIS1] 医療安全委員会主催セミナー
小児神経領域の医療安全を求めて
2017年6月15日(木) 09:10 〜 11:10 第7会場 (10F 会議室1004-5)
座長:山内秀雄(埼玉医科大学小児科), 是松聖悟(大分大学医学部地域医療・小児科分野)
【ねらい】
医療安全委員会のミッションステートメントは,「小児神経領域の安全な医療に関わる諸問題を明確にし,その解決策を他学会とも連携して立案し実行する.会員と一般市民を対象とした医療安全に関する啓発を行う」であり,その任務のもと,過去3回の学術集会にて医療安全セミナーを開催している.最初に取り上げた課題は,2013年7月に日本小児科学会・日本小児麻酔学会・日本小児放射線学会から出された「MRI検査時の鎮静に関する共同提言」に対して日本小児神経学会がすべきことの明確化であった.当学会内でも共同提言の実現を目指した啓発をするとともに,実行に難渋する点の解決策を議論してきた.さらには法曹界においては添付文書の遵守を必須事項としていることも認識した.さらに議論を発展させ,2016年度からは生理検査における鎮静方法や静注用抗痙攣薬の安全使用についても議論を開始した.限られた地域を対象とした試験的調査を行った結果,適正な投与量でも予期せぬ有害事象が生じていることを認識し,危険を回避する準備の必要性をあらためて認識した.また,これら薬剤使用において添付文書に用量・使用方法についての詳細な記載がない場合,調査によって安全に使用しうる具体的な用量・方法が判明すれば,添付文書改訂への働きかけの必要性も指摘された.さらに,脳神経外科との癒合領域における医療安全についてもこれからの新たな検討課題としている.本セミナーでは,脳波検査における鎮静と,静注用抗痙攣薬の全国実態調結果の報告とそれらについての議論を行う.宮本雄策・村松一洋委員が前者を,星出まどか・宮田理英・三牧正和委員が後者を担当する.また,下川尚子委員(日本小児外科学会医療安全委員長)・坂本博昭委員(同,理事長)は,頭部外傷におけるリスクマネージメントに関する講演を行う.さらに山中岳委員(日本小児科学会医療安全委員会委員)は,日本小児科学会で実施したMRI鎮静の全国実態の再調査の結果を報告する.本セミナーを通じて小児神経領域における患者側と診療側の両側における医療安全が担保されるための方策を考察したい.
宮本雄策1, 2, 村松一洋1, 3 (日本小児神経学会医療安全委員会1, 川崎市立多摩病院小児科2, 群馬大学大学院医学系研究科小児科3)
下川尚子1, 2, 坂本博昭2, 3 (佐賀大学医学部脳神経外科学1, 小児神経学会医療安全委員2, 大阪市立大学脳神経外科3)
山中岳1, 2, 3, 勝盛宏1, 草川功1, 相田典子1, 池山由紀1, 井上信明1, 大嶽浩司1, 久我修二1, 阪井裕一1, 坂本博昭1, 2, 福井美保1, 西原正人1, 山内秀雄1, 2, 細矢光亮1, 高橋昌里1 (日本小児科学会医療安全委員会1, 日本小児神経学会医療安全委員会2, 東京医科大学病院小児科3)