The 59th Annual Meeting of the Japanese Society of Child Neurology

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Practical Education Seminar

medical education

[JKS8] Practical Education Seminar 8
Clinical reasoning in paediatric neurology plactices

Wed. Jun 14, 2017 3:15 PM - 6:15 PM Room No.8 (10F Conference Room 1006-1007)

Chair:Katsuo Sugita(Division of Child Health,Faculty of Education,Chiba University)

【ねらい】
診断推論とは,診断に至るまでの思考プロセスである.臨床現場では,日々我々は「システム1:直観的思考」と「システム2:分析的思考」の2者を巧みに駆使して診断している.徳田安春先生の言では,「直観的思考」とは単なる「勘」に基づく「直感」ではなく,推論し論理的に説明しうる「直観」に基づくとしている.「直観的思考」の理由付けとなる論理を“heuristic”と呼び,臨床上有用なものを“clinical pearl”と呼んでいる.ただしこの「直観的思考」は,「最初に考えた診断に固執する」,「最近の症例やインパクトの強い経験に引きずられる」,「自分の診断に都合の良い所見のみ注目する」などいくつかのバイアスに影響されやすい欠点がある.このバイアスを避けるため,病態生理学と臨床疫学を網羅的に吟味して考える「分析的思考」が合わせて求められる.考えられる鑑別診断を列挙し,身体所見や臨床検査からそれぞれを除外,確定していくプロセスは,見逃しを極力なくすため重要である. 昨年度第1回「小児神経診療のための診断推論」と題して実践教育セミナーを開催させていただいたが,多くの方々が参加され企画者としては望外の喜びであった.第2回本実践教育セミナーの講演者は多くの臨床経験を通じて「直観的思考」を鍛えられ,かつ鑑別から確定・除外診断の実践に優れた小児神経科の先生方です.藤井克則先生には,「診断推論:動画とフォトで見る小児神経学」と題して様々な臨床症状を提示していただきます.榎日出夫先生には「けいれん性疾患への症候学的アプローチ」と題して臨床症候学の重要性をお話いただき,久保田雅也先生には「一例から始まる極私的神経症候学」と題し症候学を裏打ちする神経生理学的検査の重要性をお話いただきます.この3人の先生方から,実際的な診断推論の思考プロセスを惜しみなく伝授していただきます.