第59回日本小児神経学会学術集会

セッション情報

実践教育セミナー

形態異常

[JKS9] 実践教育セミナー9
Dysmorphologyからみた小児神経疾患~基本から新規に同定された症候群まで~

2017年6月17日(土) 14:30 〜 17:10 第3会場 (10F 会議室1001-2)

座長:岡本伸彦(大阪府立母子保健総合医療センター遺伝診療科), 水野誠司(愛知県心身障害者コロニー中央病院小児内科)

【ねらい】
日常の小児神経疾患の診療においてDysmorphologyは重要な要素のひとつである.小児神経疾患の診断においては,神経学的所見,画像診断や脳波検査などが日常診療で実施される.遺伝子診断も多くの疾患で可能になった.近年ではマイクロアレイ染色体検査や次世代シーケンサーによる解析が臨床応用されつつある.しかし,形態異常の診察,つまりDysmorphologyにより,的確な診断に至る場合も存在する.特別な機器を用いず,Dysmorphologyだけで診断あるいは,疾患を予測することが可能な場合がある.不必要な検査の実施を回避することも可能になる.正確な診断は疾患の特徴を理解し,今後の診療を進める上で重要な意義がある.Dysmorphologyの記述方法には一定の規約があり,日本小児遺伝学会のホームページに紹介されている.第1部ではまず,「Dysmorphologyの基本的考え方」を説明する.次に,小児神経学と関連の深い「新しい先天異常症候群」について紹介する.先天異常症候群の診断では形態だけでなく,行動観察も重要である.「先天異常症候群の行動特性」を紹介する.「Dysmorphologyと代謝異常症」では,先天代謝異常症を考える身体所見について解説する.次世代シーケンサーの進歩により,次々と新規症候群が成立している.「新しいNeurogenetic syndromes」では,日常診療で念頭に置くべき新規症候群の特徴を述べる.第2部ではセミナー参加者とともに具体的な事例を通じて診断を検討する「Diagnostic Challenges」も行い,診断プロセスを参加者と討議しながら検討したい.