伏木信次 (京都府立医科大学研究開発・質管理向上統合センター、京都中部総合医療センター)
セッション情報
委員会主催セミナー
[COS1] 倫理委員会・COI委員会主催セミナー
臨床研究不正事例から学ぶ,研究公正
2018年5月31日(木) 10:10 〜 11:20 第5会場 (3F 302)
座長:伊東恭子(京都府立医科大学大学院)
【企画・趣旨のねらい】
今回のセミナーでは,第59回日本小児神経学会学術集会で行われた倫理委員会・COI委員会主催セミナー『医学研究倫理,特にヒトを対象とした臨床研究における医学倫理のupdate』に引き続き,『臨床研究不正事例から学ぶ,研究公正』と題しまして,本学会理事・倫理委員会委員長を長くおつとめになりました伏木信次先生にご講演いただきます.
臨床研究は基礎研究で得られた成果を実臨床に発展させるために不可欠な取り組みであり,そこには科学的合理性と倫理的妥当性が求められます.しかしながらこれまで臨床研究においては,研究公正の観点から多くの問題が発生し,社会的な事件に発展したものも散見されます.臨床研究における不正事例を素材にして,臨床研究において留意しなければならない点を考えていただきたいと思います.
「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」が,「個人情報保護法」の改正に伴って,平成29年2月に一部改正されましたが,さらに,未承認・適応外の医薬品等の臨床研究ならびに製薬企業等から資金提供を受けて実施される当該製薬企業等の医薬品等の臨床研究を対象とする「臨床研究法」が平成30年4月から施行される予定です.当該法案施行後は,特定臨床研究に対して,倫理性・科学性評価,研究者ならびに企業に対する利益相反(COI)管理が厳しくなります.また,COI管理については,平成29年3月に,日本医学会からCOI管理ガイドライン改定が提示され,本学会でもそれに準じて,医学系研究のCOI管理に関する指針の改定案を作成中です.
医学をとりまく倫理やCOIの状況はこのように大きく変化しつつあります.これらの社会的背景を踏まえ,本セミナーが,日本小児神経学会会員の皆様に,研究公正に関する最近の話題をお伝えする一つの機会になればと願い,多数のご参加を期待しております.