第60回日本小児神経学会学術集会

セッション情報

委員会主催セミナー

[COS7] 社会保険・薬事委員会主催セミナー
神経発達症群における小児適応薬剤の意義とその使い方

2018年6月2日(土) 10:10 〜 12:10 第4会場 (3F 301)

座長:宮島祐(東京家政大学子ども学部子ども支援学科)、福水道郎(瀬川記念小児神経学クリニック)

【企画・趣旨のねらい】
 1998年当時小児適応承認薬がほとんど皆無で,かつ適応外使用や過剰投与などの問題が山積している状況を打破しようと日本小児科学会薬事委員会(大西鐘壽委員長)が中心となり各分科会が問題解決にあたった.小児精神領域に関わる日本小児神経学会・日本小児精神神経学会・日本小児心身医学会が3医学会合同でこの領域の小児適応拡大に向けて研究事業を発足させ,日本児童青年精神医学会など関係諸学会とも連携して現在に至っている.小児ADHD治療薬として2007年にメチルフェニデート塩酸塩徐放錠(コンサータ®),2009年にアトモキセチン塩酸塩(ストラテラ®),2017年にグアンファシン塩酸塩徐放錠(インチュニブ®)が承認され,小児期のASDに伴う易刺激性治療薬として2016年にリスペリドン(リスパダール®),アリピプラゾール(エビリファイ®)が承認され,2017年7月にはフルボキサミンマレイン酸塩が小児強迫性障害が承認された.また2013年にはDSM—5が改訂され,実際の臨床に即してADHDとASDの併存診断が認められ,さらには小児適応承認に向けて幾つかの向精神薬の治験が進行している状況である.
 神経発達症群の診療に関わる我々小児神経科医が,現在に至る薬物治療の歴史的経緯を学び,適切な治療を行うためにはどのような点に留意すべきか,改めて学びの場を提供したいと考え,このセミナーを企画した.