The 60th Annual Meeting of the Japanese Society of Child Neurology

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Debate discussion

[DD] Treatment of West syndrome: What should we select before and after ACTH therapy?

Sat. Jun 2, 2018 1:30 PM - 3:30 PM Room 1 (Convention Hall B)

Chair:Shinichiro Hamano(Division of Neurology, Saitama Children's Medical Center, Saitama, Japan), Hideaki Shiraishi(Department of Pediatrics, Hokkaido University Hospital)

【企画・趣旨のねらい】
 2006年に日本てんかん学会から発表されたWest症候群の診断・治療ガイドラインにおいて,ACTH療法の早期導入とともに,短期・少量投与が推奨されたことから,最近の小児神経専門医研修認定施設等への調査では,ACTH療法を投与量0.01—0.015 mg/kg/日で14日連日投与後,2週間以内の漸減期間で実施する施設が過半数となり,短期・少量投与が明確になっている.製剤が異なるため単純な比較はできないが,欧米においてもACTH療法は低用量でも高用量と同等の有効性を示すとされ,本邦と同様に低用量へシフトしている.しかし,ACTH療法以外の治療選択と,その選択順位をみると欧米と本邦は大きく異なっている.本邦では第1選択にビタミンB6が多く,ACTH療法の選択順位も第3選択が最多であった.さらに海外では選択順位が上位のprednisolone大量療法は第5選択肢までにあがらないなど,West症候群の治療方針では本邦独自の特徴が認められる.最も有効性が確立しているACTH療法は,長期的には半数以上は再発し,ACTH療法以外の治療戦略を組み立てなければならない.ACTH療法以外の治療法のエビデンスが十分とはいえない中,ACTH療法導入までの他剤試行の有益性,ACTH療法後の再発例における治療戦略は,大きな課題である.
 2016年3月にビガバトリンが製造承認を得て,本邦において選択可能なWest症候群の治療法の種類は欧米と同等になったいま,ビガバトリンの選択順位も含め,ACTH療法前後の治療戦略を再考するべき時機と考えられ,本セッションが企画された.ACTH療法導入前の治療戦略,ACTH療法後再発症例への対応,そしてビガバトリンのターゲット症例に関して3名の演者に概観していただき,参加者との議論・ディベートにより,単に海外の治療指針を追従するものではない本邦のWest症候群のより良い,しかも現実的な治療方針の方向性を探っていきたい.
 多くの参加者,多くの発言により活発な議論がなされ,今後のWest症候群の治療方針,治療指針において有意義な時間を共有できることを期待しています.多数の参加者,積極的な発言を熱望しているセッションです.ご参加,よろしくお願いします.