11:05 AM - 11:15 AM
[O-1-04] 胸部・腹部・右腸骨動脈の大動脈瘤合併により車椅子生活の定着に難渋した脳出血症例
【症例紹介】80代後半男性.BMI17.1㎏/㎡.起居困難で緊急搬送され右前頭葉皮質下出血と診断.保存療法後,第34病日に回復期リハビリテーション病棟へ転院.既往歴は狭心症(ステント留置術).歩行獲得に向け理学療法開始となるも,第54病日に胸部・腹部・右腸骨動脈に大動脈瘤を認め,ベッド上の生活となり,廃用症候群を生じた.第61病日に収縮期血圧は130mmHg未満,ベッド上で関節可動域運動のみの安静度指示の下,車椅子生活の定着を目標に理学療法再開となる.
【評価とリーズニング】第61病日JCSⅠ-2.安静時血圧96/56mmHg,脈拍72回/分,酸素飽和度(以下SpO2)97%,呼吸数20回/分.BNP124.2pg/ml.関節可動域に著明な制限なし.粗大筋力(以下GMT)右3+/左3.Brunnstrom recovery stage test(以下BRST)左Ⅵ-Ⅵ-Ⅵ.表在・深部感覚は障害なし.Borg scaleはギャッジアップ時9.病棟内の活動度は1.0Mets相当の身体活動のみであった.BI 10点,FIM 34点.
【介入と結果】第61病日より問診・視診・触診などのリスク管理下で,ベッド上のギャッジアップより運動療法を開始し,車椅子離床,持久力運動など段階的に負荷量を増大させた.運動強度は同一負荷での運動を期間内に循環動態や全身状態の変化がないこと,疲労感の増大がないこと,栄養状態が安定していることを主治医に相談の上で歩行練習(3Mets)まで増加させた.第131病日JCSⅠ-1.安静時血圧104/76mmHg,脈拍72回/分,SpO2:98%,呼吸数20回/分,運動後(歩行器歩行90m後)血圧118/82mmHg,脈拍96回/分,SpO2:96%,呼吸数24回/分.BNP128.1pg/ml.GMT右4/左3+.関節可動域,BRST,表在・深部感覚は変化なし.Borg scaleは離床時7,歩行後12.スタンダード車椅子で離床約3時間可能.病棟内の活動度は1.5Mets相当の身体活動が可能(起居~移乗見守り,移動は車椅子介助)となり,訓練内では歩行器歩行が約90m(2.5~3Mets相当)見守りにて可能となる.BI 35点,FIM 50点.
【結論】身体機能,大動脈瘤の合併を考慮し,車椅子生活の定着を図った一症例.理学療法実施にて3Metsの運動が全身状態に問題がなく可能となった.これは,運動療法により末梢血管抵抗が減少したことで後負荷に軽減が図れ,循環動態の安定に繋がったと考えられる.大動脈瘤ガイドラインに示されているゴール基準(①1日の血圧が収縮期血圧で130mmHg未満にコントロール出来ている.②全身状態が安定し合併症の出現がない.)を満たしたこと,また,維持プランとして歩行が導入できる身体機能の獲得が出来たことからも,車椅子生活の定着に至ったと考えられる.
【倫理的配慮、説明と同意】患者には本発表について説明のうえ同意を得た.
【評価とリーズニング】第61病日JCSⅠ-2.安静時血圧96/56mmHg,脈拍72回/分,酸素飽和度(以下SpO2)97%,呼吸数20回/分.BNP124.2pg/ml.関節可動域に著明な制限なし.粗大筋力(以下GMT)右3+/左3.Brunnstrom recovery stage test(以下BRST)左Ⅵ-Ⅵ-Ⅵ.表在・深部感覚は障害なし.Borg scaleはギャッジアップ時9.病棟内の活動度は1.0Mets相当の身体活動のみであった.BI 10点,FIM 34点.
【介入と結果】第61病日より問診・視診・触診などのリスク管理下で,ベッド上のギャッジアップより運動療法を開始し,車椅子離床,持久力運動など段階的に負荷量を増大させた.運動強度は同一負荷での運動を期間内に循環動態や全身状態の変化がないこと,疲労感の増大がないこと,栄養状態が安定していることを主治医に相談の上で歩行練習(3Mets)まで増加させた.第131病日JCSⅠ-1.安静時血圧104/76mmHg,脈拍72回/分,SpO2:98%,呼吸数20回/分,運動後(歩行器歩行90m後)血圧118/82mmHg,脈拍96回/分,SpO2:96%,呼吸数24回/分.BNP128.1pg/ml.GMT右4/左3+.関節可動域,BRST,表在・深部感覚は変化なし.Borg scaleは離床時7,歩行後12.スタンダード車椅子で離床約3時間可能.病棟内の活動度は1.5Mets相当の身体活動が可能(起居~移乗見守り,移動は車椅子介助)となり,訓練内では歩行器歩行が約90m(2.5~3Mets相当)見守りにて可能となる.BI 35点,FIM 50点.
【結論】身体機能,大動脈瘤の合併を考慮し,車椅子生活の定着を図った一症例.理学療法実施にて3Metsの運動が全身状態に問題がなく可能となった.これは,運動療法により末梢血管抵抗が減少したことで後負荷に軽減が図れ,循環動態の安定に繋がったと考えられる.大動脈瘤ガイドラインに示されているゴール基準(①1日の血圧が収縮期血圧で130mmHg未満にコントロール出来ている.②全身状態が安定し合併症の出現がない.)を満たしたこと,また,維持プランとして歩行が導入できる身体機能の獲得が出来たことからも,車椅子生活の定着に至ったと考えられる.
【倫理的配慮、説明と同意】患者には本発表について説明のうえ同意を得た.
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