第33回大阪府理学療法学術大会

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Web Poster

[P-12] P-12

Sun. Jul 11, 2021 8:45 AM - 3:30 PM Web Poster:P-12 (webポスター会場)

座長:堀口 達也(整形外科なかむらクリニック)

[P-12-05] 整形外科術後患者の復職実態調査(第1報)

*上田 雄太1、北口 拓也1、谷本 武晴1 (1. 大阪労災病院)

【背景と目的】
就労患者においては身体機能や日常生活動作の改善に加えて、速やかな職場復帰が求められる。そのため、復職の実態並びにその問題点について把握することは重要であるが、整形外科術後患者に対する復職調査は症例報告や一部の疾患に限定した報告が散見されるのみである。本研究では整形外科術後患者を対象に術後の復職状況ならびにその問題点を調査することを目的とした。
【方法】
対象は2020年4月から2020年9月までに当院にて術後リハビリテーションを受けた整形外科患者のうち入院時に研究の同意が得られた20歳から80歳までの就労者144名とした。方法は術後6ヶ月時の郵送アンケートで、調査項目は患者属性及び復職状況、復職時期、復職に関する問題点(復職時に有した症状または仕事上困難な動作の有無、非復職原因)とした。
【結果】
アンケート回収率は56%(81名、男性50名、女性31名、平均年齢50.8±15.1歳)で、疾患分類は前十字靭帯再建術31名、人工股関節全置換術15名、人工膝関節全置換術14名、脊椎疾患術後9名、その他12名であった。復職率は88%で復職者(71名、男性44名、女性27名、平均年齢50.3±15.2歳)と非復職者(10名、男性6名、女性4名、平均年齢54.4±13.8歳)の間に年齢、性別に有意差は認めなかった(P>0.05)。復職時期は退院後 1ヶ月以内が51%(36名)、1-3ヶ月以内31%(22名)、6ヶ月以内15%(11名)、その他3%(2名)であった。復職時に症状を認めた症例は10名、仕事上困難な動作を認めた症例は30名、症状及び仕事上困難な動作を認めた症例は4名で、復職者全体の62%が復職時に症状または仕事上困難な動作を認めた。症状で最も多かったのは痛み(11名:復職者の内15%)で、仕事上困難な動作ではしゃがみ込みが最も多かった(13名:同18%)。非復職者における復帰しない理由として10名中6名が身体的要因と回答した。
【結論】
今回、整形外科術後患者の6ヶ月時点での復職状況を調査した。回答のあった81名のうち88%が復職されていたが、復職者の62%に復職時に症状や仕事上困難な動作を認めた。また、非復帰者の内、半数以上が復帰を断念した理由として身体的要因を挙げており、今後、通常のリハビリテーションに加え、復職を目的とした効率的な運動療法及び指導について検討する必要があると考えられた。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究及び発表に関して、ヘルシンキ宣言に則り対象者へ十分な説明を口頭にて行い、文書にて同意を得た。その際、個人情報は厳守されること、参加は自由意志であり拒否による不利益はないこと、同意後も常時同意撤回できることを説明した。本研究は当院倫理委員会の承認を得た(承認番号:31-108番)。

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