第33回大阪府理学療法学術大会

Presentation information

Web Poster

[P-13] P-13

Sun. Jul 11, 2021 8:45 AM - 3:30 PM Web Poster:P-13 (webポスター会場)

座長:水野 稔基(大阪行岡医療大学)

[P-13-05] 当院地域包括ケア病棟におけるリハビリ対象者選定の効果判定と予定入院患者に対する評価・支援内容の傾向

*坂口 英隆1、山下 円香1、加藤 航太1、武内 康浩1 (1. 公益財団法人 浅香山病院 リハビリテーション部)

【目的】

 2020年地域包括ケア病棟では、入棟時ADL等でリハビリの必要性を判断するよう診療報酬改定がなされた。我々は以前、リハ対象者選定と介入前後のADL変化を報告し(坂口ら、2021)、今回、①以前(のべ60名)の内容について研究対象を増やし調査した。また、地ケア病棟の特徴である自宅療養患者の予定入院(レスパイト入院)について、ケーススタディの報告は多いが、評価・支援内容の傾向をみたものは見当たらず、②予定入院患者への評価・支援内容の傾向を調査し、①②の結果から、より適切な対象者選定や評価・支援の実施を目的とした。

 【方法】➀地ケア病棟入院患者に、情報収集・入院時FIMなどを基に、ADL改善・低下予防の観点から対象者を選定。非対象者群には、Point of Care(以下、POC)による評価・支援を実施。選定結果は恣意的に固定せず、変更可能。研究対象者のべ166名(対象者群83名/非対象者群83名)で、介入前後のADL変化を調査した。両群の年齢・入院時FIMに有意差無し( p = 0.78:p = 0.7)。②非対象者群を予定入院群(16名)と非予定入院群(50名)に分け、評価・支援内容を、定期的な離床など生活リズム・拘縮予防など身体機能・基本動作など動作能力・せん妄出現の兆候など精神状態に関するものに大別し、質的・後方視的に傾向を調査した。

【説明と同意】浅香山病院倫理委員会の承認を得た(承認番号20-21(2))。本研究及び発表に関連して、開示すべき利益相反関係にある企業などはありません。

【結果】➀対象者群の退院時FIM(平均73.5±28.4)は入院時FIM(平均62.6±26.0)に比べ有意に高く(p = p = 0.1E-3 ,Wilcoxonの符号付き順位検定)、入退院時FIM点数差と地ケア病棟入院日数に正の弱い相関があった(p = 0.11E-1, γ = 0.277, Spearmanの相関係数 )。POCのみ実施した非対象者群の退院時FIM(平均62.7±33.2)も入院時FIM(平均61.4±31.4)に比べ有意に高く(p = 0.33E-1, Wilcoxonの符号付き順位検定)、対象者群の入退院時FIM点数差は、非対象者群に比べ有意に大きかった(p = 0.1E-3, Wilcoxonの符号付き順位検定) ②評価・支援内容の内訳と各群に占める割合(予定入院群/非予定入院群)は、生活リズム(81.3%/58.0%)、身体機能(62.5%/36.0%)、精神状態 (68.8 %/50.0%)、動作能力(56.3 %/72.0%)。

【考察】➀対象者群では、以前と同様の結果であり、当院対象者選定基準の妥当性が示唆された。今回は、非対象者群においてもFIMが有意に向上し、生活支援型介入でADL改善の可能性が示唆された。②予定入院群は、生活リズムの割合が特に高い傾向にあった。これは、自宅療養の継続が目的で、環境変化に対し介入した結果と考える。非予定入院群は、環境・サービス調整期間の動作能力に対し介入した結果と考える。このように、POCの考えに基づき、適切な評価・支援がADL向上に繋がったと考える。

Please log in with your participant account.
» Participant Log In