第33回大阪府理学療法学術大会

Presentation information

Web Poster

[PG-19] PG-19

Sun. Jul 11, 2021 8:45 AM - 3:30 PM Web Poster:PG-19 (webポスター会場)

座長:杉山 恭二(大阪府立大学大学院)

[PG-19-01] コロナ禍における理学療法士学科オンライン授業についての調査

*前田 和哉1、金谷 規弘1、川原田 進1 (1. 大阪医療福祉専門学校)

【背景と目的】COVID-19の影響により感染防止対策として,本校理学療法士学科においてオンライン授業が実施された.教員・学生ともに初めての試みであるため,双方の認識や意見にどのような相違があるのかを明らかにすることで,より効果的なオンライン授業への手掛かりになるのではないかと考え,今後の学校教育の一助とすべく本研究を行った.

【方法】本校に所属する理学療法士学科昼間部1~3年,夜間部1~4年生の学生265名及び理学療法士学科教員5名の合計270名に対してGoogleフォームによるアンケート(自由記載を含む)を実施した.得られた回答はExcel (Microsoft Office 2016) にてグラフ化し,比較を行った.

【結果】学生への質問項目では,ちょうどいいと感じたZoom時間は 40分44%,60分45%,75分3%,90分8%であった.オンライン授業に集中できたかについて できた41%,できなかった59%,質問はしやすかったかについて はい30%,いいえ70%であった.学習意欲の変化はあったかについて 高まった17%,変わらない49%,下がった34% という結果であった.質問のしやすさの理由として「大きな声を出さなくていい」「周りの目を気にしなくていい」という意見がみられた.学習意欲変化の理由で,高まった群は「自分でやるしかない」「通学時間の短縮に伴い,時間を有効活用できた」,変わらない群は「オンラインでもやることは変わらない」,下がった群では「授業動画の見直しができない」「実技がないことが不安」という意見がみられた.教員への質問項目では,指導する上で妥当だと思うZoom時間は 40分40%,60分40%,90分20%.学生の質問などの反応はよかったかについて いいえ100%であった.学生の意欲変化の印象は, 変わらない80%,下がった20% という結果であった.学生の反応が悪く感じた理由として「表情が見えづらく学生の反応が掴みにくかった」「チャット機能ではロスタイムが生じる」という意見がみられた.学習意欲の変化の理由として「学生個人による差が大きい」「遠隔授業にて学ぶ習慣は維持できたと思う」といった意見がみられた.

【結論】本研究ではオンライン授業における教員・学生双方の意見を聴取・比較し,認識の相違点を見つけることができた.教員側の認識では「反応が芳しくない,学生の意欲向上もみられない」という意見であったが,学生側の認識では「質問しやすかった,学習意欲が向上した」という意見もみられた.また,先行研究により動画を用いたオンライン授業の受講回数が多いほど成績の平均点が上がっており,オンライン授業群の点数分布が対面授業群に比べて高いというデータもあるため,今後はオンライン授業の要素を対面授業に取り入れることで,学生の学習意欲の向上,さらには学習成績の向上につながるのではないかと考える.

【倫理的配慮、説明と同意】本研究参加者には,研究目的,方法,参加は自由意志で拒否による不利益はないこと,及び,個人情報の保護について,文書と口頭で説明を行い,アンケートの提出をもって同意を得た.

Please log in with your participant account.
» Participant Log In