第34回大阪府理学療法学術大会

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Olal session

事前公開

[O-15] 一般演題(介護・学校・地域①)

Sun. Jul 3, 2022 3:15 PM - 4:15 PM 会場7 (12階 1202会議室)

座長:北川 智美(四條畷学園大学)

3:45 PM - 3:55 PM

[O-15-4] オンラインでのリモート体操教室の工夫と取り組み-地域包括支援センターと協働して-

中岡 絵美1,2, 黒岡 禎治1,2, 河野 茉梨絵2, 北川 汐里2, 藤井 謙伍2, 池田 秀一3 (1.宝持会ハリ訪問看護ステーション, 2.宝持会いけだクリニックハリ・デイケア, 3.宝持会いけだクリニック)

Keywords:リモート体操教室、介護予防

【症例紹介】【背景と目的】
近年,介護予防事業では理学療法士と地域包括支援センター(以下,包括)の協働が期待されている.しかし,新型コロナウイルス感染症の影響で多くの介護予防事業が休止になり,自粛での閉じこもり,生活不活発による心身機能や認知機能の低下が課題となっている.我々は,包括と連携し2021年4月よりWeb会議システムを利用したリモート体操教室(以下,体操教室)を開催した.その取り組み内容や工夫した点を紹介する.
【評価とリーズニング】【方法】
対象は東大阪市の包括圏域の65歳以上の高齢者で,参加者は開始時9名(女性7名,男性2名,平均年齢76.9±5.7歳)であった.場所は当法人の研修室と参加者の自宅をWeb会議システムで繋ぎ実施した.頻度は月1回,60分.内容は①健康小話(毎月1つのテーマについて予防と対策を配布資料付きで解説)②ストレッチ③筋力トレーニング(マルチコンポーネント運動)④二重課題練習(手指体操等)⑤リズム体操(オリジナル体操)とした.また,③と⑤の内容と同じ自主トレーニング(以下,自主トレ)を作成し配布した.毎体操後に参加者へアンケートを実施し,各内容の満足度,負荷量を確認し体操へ反映した.また6月・12月に感染対策を講じた上で希望者に体力測定会を実施し,身体評価や悩み相談会を行った.身体評価の結果は包括と連携し個人へフィードバックした.そして,体操教室開始時の4月と終了時の3月にアンケート調査を行った.
【介入と結果】【結果】
2021年4月-2022年3月までに計11回開催した.終了時には参加者は8名(女性6名,男性2名)で,9名中8名が継続的に参加でき,1名が離脱した.体力測定会は6月に5名,12月に6名が参加した.毎月の満足度のアンケート結果は,「楽しかった」,「まぁ楽しかった」と答えた方が86%であった.体力測定会では「自主トレを継続している」「体操教室を楽しみにしている」「配布資料を見返している」などの意見が聞かれた.また,相談会では夜間頻尿や不眠など生活習慣に関する質問が多かった.
【結論】
今回の体操教室は参加者の継続的な運動の一助となると示唆された.リモートでの体操教室は悩み相談など直接的な関わりがしづらい事が弱みであるが,包括と協働し健康小話の資料を配布した事や体力測定会を開催し顔が見える関わりを行った事でその弱みを補えたと考える.一方,2021年4月は通信トラブルにより開催できず,画像・音声や接続環境の不具合による事象が見られた.離脱した1名もWeb会議システムの操作が困難となり終了に至った.これらよりリモートではネット環境の安定性,高齢者のデバイス操作に対する指導や助言が課題であった.また,Web会議システムを使用したことがない高齢者が多数となるため,新規参加者の獲得も課題となった.今後はより質の高いリモート体操教室の構築を目指していきたい.